2017-11

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歴史と公民教科書 原子力の記載事項で比べてみよう

■教科書選定 どこがどう違う? 原子力の記載事項で比べてみよう

神奈川県では藤沢市がすでに市立中学校19校で来春から使われる歴史と公民で育鵬社の教科書を採択している。注目が集まる全市一括採択で全国最大の市場となる横浜市の採択審議は4日。鎌倉市は、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の自由社とつくる会系の育鵬社は歴史、公民とも総合評価は1つ星で選ばれなかった。また平塚市は平成24年度使用の中学校用教科用図書として歴史は帝国書院、公民は教育出版を採択した。ただし、県立平塚中高教育学校(大原)は歴史で育鵬社の教科書を採択している。

○慰安婦について取り上げている記載事項:全教科用図書において該当する記載事項なし
○強制連行について取り上げている記載事項:公民教科書で自由社の教科書のみ記載なし


広く浸透する日本の原発"安全神話"は、長い時間と大金をかけてメディアはむろんのこと、コマーシャルや学校教科書から吹き込まれてきたことが、今回の福島第一原発の災難でよく理解されるところとなった。では、来年度から4年間使われる中学校と中高一貫校の歴史と公民教科書にはなんとあるか、特に今なら、原子力と自然エネルギーの記載事項で比べてみるのがわかりやすくていいかもしれない。

○エネルギー問題についての記載事項

東京書籍:
P165 世界では、温暖化防止のために、温室効果ガスの排出の少ない太陽光などのエネルギーの利用促進、省エネルギー技術の開発促進などの対策が進められている。
P166 現在では原子力、天然ガスなどの導入が進められ、エネルギーなどの供給源の多様化が図られている。
P167 原子力は海外から安定的に燃料を供給でき、わずかな燃料で多くのエネルギーを取り出せる。また、燃料を繰り返し利用でき、発電時に二酸化炭素を排出しない。しかし、放射性物質を扱うため、事故が起きたときの被害は大きく、厳しい安全対策が求められている。また、放射性廃棄物の最終処分場をどこにするかという課題も残されている。
P167 地球温暖化など環境への影響が少ないクリーンなエネルギーとして、太陽光発電、
風力発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーへの期待が高まっている。一方、太
陽光発電や風力発電などは電力の供給が自然条件に左右されることや、コストが高いことなどが課題としてあげられる。
P167 エネルギーの確保と環境への配慮を両立するかが、今後の課題となっている。

教育出版:
P184 わたしたちの生活は大量の資源・エネルギーを使った大量生産と大量消費の上に成り立っている。しかし、それらの資源・エネルギーは埋蔵地も産出地もかたよっていて、産出量にも限りがある。
P184 発電の際の二酸化炭素の発生が少なく、安定した電力供給ができるエネルギーの開
発が進められている。その中心となっている原子力発電は日本でも発電量の30%を占めている。一方で、いったん事故が起きると重大な被害が発生することや、放射性廃棄物(使用済み核燃料など)の処分に慎重な対応が必要なことなど、課題も残されている。
P185 現在、安全で持続可能な新しいエネルギーが求められていて、世界各国で太陽光、風力、波力、水力、地熱、バイオマス(生物資源)などを利用した、再生可能エネルギーの開発が進められている。

清水書院:
P149 廃棄物を資源として再生利用し、再生品を使用(リサイクル)するだけではなく、資源エネルギーの使用量をそもそも減らし(リデュース)、そしてくり返し再使用する(リユース)という3Rの実践が必要である。
P151 かつて公害のあった熊本県水俣市では、1992年に日本ではじめて「環境モデル都市づくり宣言」をおこなった。ごみの減量・高度分別、新エネルギーの積極的な活用、環境学習の機会の提供などを市民とともに実行している。
P169 先進国を中心に利用されている原子力発電はCO2を出さずに巨大なエネルギーを生み出すことができる。しかし、いちど事故がおこれば大きな被害が生じる危険性がある。放射性廃棄物の処理の問題もあり、安全に利用するために、よりいっそうの対策が求められている。
P169 環境への負荷が小さいクリーンエネルギーとして、太陽光、風力、バイオマスなどを利用した再生可能エネルギーの開発も進められているが、まだ経済的な効率において石油や石炭をおぎなえるようになっていない。

帝国書院:
P198 原子力発電は二酸化炭素の排出量が少なく、総発電量の中ですでに大きな割合をしめているが、事故や放射能への不安から、原子力発電の建設に対しては根強い反対運動がある。
P198 「地球にやさしい」発電方法とし 、風力発電をはじめ、太陽光、太陽熱、地熱、バイ
オマスなどの自然エネルギーを利用した発電方法の技術開発・改良が進められ、実用化もされている。しかし、それらへの期待が大きい反面、発電の効率が悪いなど大きな課題が残されている。

日本文教出版:
P201 わが国では、温暖化の原因となる二酸化炭素の排出が比較的少ない原子力発電が発電量の約3割を占める。安全性に対する疑問や、放射性廃棄物の処理の問題もあるが、国は対策に取り組んでいる。いっぽう、風力発電や太陽光発電、ごみ発電など新しいエネルギー源の開発も進んでいるが、現状では発電量が少なく大きな費用がかかるなどの課題がある。
P209 省エネルギーに努め、クリーンエネルギーの開発も行われている。

自由社:
P173 原子力発電や新エネルギーの導入拡大に努めている。原子力発電では安全性の高い技術を確立し、すでに全発電量の3分の1をまかなっている。また、太陽光や風力などを利用する自然エネルギー発電の普及を急いでいる。同時に、海外での油田権益の確保に努めたり、領海内の海底で発見されたメタンハイドレードの利用実用化を急ぐなど、エネルギーの確保に努めている。
P173 わが国は、国際エネルギー機関(IEA)を通して、安定した需給のための協力を進め、また発展途上国への資源開発や省エネ・省資源の技術協力を進めている。

育鵬社:
P178 日本のエネルギー供給は原子力発電が約3分の1を占めている。原子力発電は地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど出さず、原料となるウランをくり返し利用できる利点がある。そのため、石油等を輸入にたよる日本では重要なエネルギー源となる。今後は安全性や放射性廃棄物の処理・処分に配慮しながら、増大するエネルギー需要をまかなうものとして期待されている。
P179 自然エネルギーや燃料電池などの新エネルギーの開発とともに、産業活動や生活で消費している資源・エネルギーを効率よく利用することによって、省資源・省エネルギーを徹底していく必要がある。
P179 「クリーンエネルギーの開発」太陽斯う発電を取り入れた住宅、風力発電のための大型風車、次世代エネルギーの主役として期待される燃料電池で動く自動車など、新しいクリーンエネルギー開発への取り組みを紹介。

以上中学校、中等教育学校の前期課程用 教科用図書調査研究の結果(平成24・25・26・27年度用)より
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6670/p323985.html

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