2017-10

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都市の新鉱脈は「生物」

■92億円を稼ぐ緑化施設を語る、亘信二・南海電鉄社長

建築研究所住宅・都市研究グループの加藤真司上席研究員は、10月末に発表予定の論文で驚くべき調査結果を記している。大阪・ミナミのランドマークとなっている「なんばパークス」の屋上緑化が、年間で約92億円の売り上げを稼ぎ出していると試算したのだ(詳細は日経アーキテクチュア2010年 10月11日号の特集「都市の新鉱脈は『生物』」)。

南海電気鉄道が100%出資していた子会社の南海都市創造(10月1日に南海電鉄に吸収合併)と高島屋とが事業主となって整備したなんばパークス。斜面に沿うような階段状の屋上緑化が特徴だ。約1万1500㎡の屋上公園内に、約5300㎡の緑化が施されている。

大きな経済効果を生んでいるなんばパークスを持つ南海電鉄の亘信二社長に、なんばパークスが生み出している経済効果や生物多様性の面での効果、同施設の運営方針などを聞いた。

○想定外の集客効果

――なんばパークスの集客効果などをどのように評価しているか。

亘:商業施設なので、人に集まってもらう憩いの場になるようにした。「厳しさ」から「癒やし」へ時代が変遷するなかで、緑を取り入れるというコンセプトになった。
なんばパークスの屋上緑化は段丘状だ。四角いビルの上に設けるような一般的な屋上緑化とは異なる。これが集客面では効果的だった。下から緑が見えるからだ。道路から緑が見え、近寄ると中に入って行ける。そうやって緑が人を引き寄せてくれる。
うれしい誤算もあった。なんばパークスを建設した際に見込んでいた客層はいわゆるF1層(20~34歳の女性)だった。ところが、緑化を設けたことでシニア層が施設の開業当初から散歩に来てくれた。施設には当初想定していた顧客層よりも幅広い人が訪れてくれたのだ。
1期工事はF1層をターゲットにしてテナントを展開したが、2期工事では、シネコンやおもちゃ屋なども設け、緑の効果で広がった顧客ニーズに応えている。

○維持管理要員を案内役に

――施設の費用対効果をどのようにみているか。

亘:四角い建物にしていれば、初期投資は少なくて済んだだろう。段丘状の施設はある意味、効率の悪い建て方だったかもしれない。それでも、こうして選んだ緑化は、集客面でそれを補って余りある効果をもたらしている。
維持管理にはコストをかけている。周辺に緑あふれる商業施設はなく、それだけの値打ちがあると考えている。維持管理費を抑える工夫もしている。集客による売り上げ効果は、維持管理費以上のものだ。
なんばパークスを維持管理しているスタッフは、花の名前や育て方を教えるなど、顧客とコミュニケーションを図ってくれている。そうやって、なんばパークスの顧客満足度を高めているのだ。

○海外からの観光客への対応も進めたい

――なんばパークスの緑化は生物の生息環境としても効果を上げているという調査結果が出ている。

亘:なんばパークスで様々な生物が観察され始めているという調査結果は、施設にとってプラスだと思う。色々な鳥や虫が来るということは、それだけ自然に近いという証だ。非常にうれしいことだ。
どうしても虫が嫌という人もいると思う。それでも子どもなどにとっては、コミュニケーションの道具になったりする。全体としてみれば、顧客も評価してくれていると思う。
海外の観光客には、もっと来てほしい。ただ、現状はわれわれがパークスに外国の人を呼び込んでいるのではなく、中国の人などが関西に来てくれた結果、施設を訪れている。
なんばパークスの施設内の案内では、中国語などへの対応がまだ不足している。なんば駅の中は中国語やハングルの表示を整備したが、それ以外はこれからだ。
植物の紹介などの表示にも、そうした対応を検討していきたい。こうした取り組みによって、海外からの観光客をさらに増やせるのではないか。

▲日経BP社ケンプラッツ 2010年10月11日(月)

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