2017-10

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足立区とURの環境共生のまち

足立区UR1

■全国初、足立区とURが子育てと高齢者の支援で連携

大きな空の下、広々とした緑地帯が続く。水が輝き、心地よい風が吹き抜ける。

ここは東京都足立区の荒川河川敷。岸辺一帯の地盤を高くした「スーパー堤防」に、巨大な「街」が出現しつつある。都市再生機構(UR)が足立区と協力し、環境共生の街として開発中の「ハートアイランドSHINDEN」。広大な工場跡地に、完成すれば約3000戸の住宅が誕生する。

その中の一画、完成間近の「ハートアイランド新田四番街」(11月入居予定)。工事中のフェンスには、こんな文字が並んでいた。
「キッズルーム建設中!」

足立区とURが手を組んで今年12月にオープンさせる注目の施設だ。その中でどんな取り組みが始まるのだろうか。

○賃貸住居をグループ保育、集会所を学童保育に

「増える子育て世代のニーズに応えるために、複数の支援サービスを柔軟に組み合わせて運営していきます」と、足立区子ども家庭課・市川保夫氏。
 
「例えば、幼稚園は午後2時頃には終わるので、園の時間外の朝夕に子どもを預かる『送迎ステーション』として、キッズルームを活用します。民間幼稚園と連携して延長保育に取り組む例は、全国でも珍しいのではないかと思います。また、一時保育サービスや育児相談なども行い、地域の親子が気軽に交流したり情報交換したりする『親子ひろば』としても活用していきます」

運営者は選定中だが、地元NPOが担当する予定だ。広さは85m2、URが無償で提供する。UR居住者に限らず、地域に住む親子が利用できる。

まだある。「ハートアイランド新田四番街」273戸の賃貸住居のうち最大4戸を、足立区の「グループ保育」スペースとして確保し、0~2歳児を預かる(来年2月開始)。スタッフは区の研修を受け認定された家庭福祉員(保育ママ)が当たり、賃貸料は区が負担。

一方、すでに入居している「ハートアイランド一番街」の中に、180㎡の集会所を転用した「学童保育室」が来年4月に誕生する。こちらは小学生が対象で夜7時まで利用可。

キッズルーム、グループ保育スペース、学童保育。
さまざまな年齢層に対応した、切れ目のない柔軟な子育て支援サービスが、「ハートアイランドSHINDEN」の中に生まれる。

○ハード整備から、子育てサービスというソフト提供へ

2010年8月19日、全国初の試みとして、足立区とURは「子育て支援・高齢者支援に関する確認書」を取り交わした。大規模開発による保育需要の増加、既存団地の高齢者世帯増加などの課題をかかえる足立区と、賃貸住宅を都市の福祉拠点として活用したいUR。両者が連携して、これまでの枠を超えた新たな支援を展開するのだという。

足立区とURは、この確認書締結の約1年前から6回の共同勉強会を重ね、支援についての議論を続けてきた。

両者が手を組むことで、いったいどんな効果が生まれるのだろうか。

「一般的なマンションの場合、管理組合の許可を得るなどいろいろなハードルがあるが、URの賃貸住宅なら大家であるURとの密な連携があれば、子育て拠点等を円滑に設置できます。また、親同士が顔見知りになれば交流が生まれ、まちづくりの拠点にもなる。河川敷は今、魚の観察や昆虫採集、魚釣りなど自然体 験学習ができる区の『新田わくわく♡水辺広場』として整備中です。区の親水空間が街と一体化していることも、子育て環境として大きなメリットでしょう」。 同区都市建設部企画調整課・工藤信氏はこう話す。

一方、UR側はどんな狙いを持っているのか。

「賃貸住宅は、社会の変化に適応して変化していかねばなりません。資産価値を上げるという意味においても、子育て世代のニーズに的確に応えるサービスを提供したい。また、地域への貢献や子育てサービスに取り組むことで、公共性を備えた『URらしさ』を表現でき、URの存在意義を伝えることもできます」(UR東京都心支社業務第四部・中村和弘氏)。建物を整備するというハード面のみならず、「UR団地にぜひ住みたい」と思ってもらえるソフトウエアを作り出す試みだという。

○既存団地の空き店舗で高齢者支援

一方、「高齢者支援」についてはどうか。7月末、区内で生きていれば111歳のミイラ化した遺体が発見されて、大きなニュースになった。高齢者の安否確認は、自治体としても喫緊の課題だ。

足立区には、URの賃貸住宅が26カ所、1万3400戸ある。江東区に次いで、都内で二番目に多い数だ。中には昭和30~40年代に建てられ、老朽化のため建て替えが必要な建物もあり、大規模団地の中での高齢化や孤独死も社会問題になっている。

足立区UR2
↑足立区大谷田一丁目団地

そこで、足立区の「大谷田一丁目団地」では、空き店舗を使って高齢者のための相談拠点を展開する。具体的には、足立区が「24時間365日対応の相談サービス」を12月にスタート。国のモデル事業を活用し、介護の専門家を配置する予定だ。ゆくゆくは、高齢者や老いの準備に入る世代のサロン的な空間にしたいという。

一方、URは独自に研修を行い養成した相談スタッフ「生活支援アドバイザー」を配置する(開始は来年4月)。団地のコンシェルジュといったイメージだ。「行政が持つメニューとURのメニューを組み合わせれば、あらゆる相談に応じられる」(足立区福祉部老い支度推進担当・向井功至氏)。

この団地は1374戸、高齢化率は25.1%(65歳以上の比率)。高齢者世帯数は420世帯で、そのうち単身世帯が半分以上を占めるという。行政にとって、こうした大規模な団地で暮らす高齢者一人ひとりと、細やかに接点を作ることは簡単なことではない。

「URを介せば個人情報保護法の壁をクリアできます。URの大家としての機能を活用していただき、例えば、高齢者サービスの情報が必要な居住者にピンポイントでチラシを配布してもらうなど、細やかな情報提供が可能になります」と向井氏。

一方、UR側は足立区と組むことで、「生活支援アドバイザー」の利用者増を見込む。

「生活支援アドバイザーの設置は、URの団地が高齢者にとって従来に増して安心して住める場所になっていくための試みとして、意味があります。また、サービス内容についても、これまでは例えば、介護認定をとるにはどうすればよいか、と相談があっても担当窓口を紹介する程度にとどまっていました。しかし、区と連携すればケアマネージャーなど専門家に即座につなぐことができ、より柔軟で具体的な支援へ結び付いていくはずです」。UR東日本支社住まいサポート業務部・鎌田修氏はこう話す。

URの前身「日本住宅公団」が足立区に初めて団地を建設したのは1962年。それ以来、50年近くの間、区とURとは再開発、建て替えのハード整備を中心に協力的関係を保ってきた。

「その関係を土台に、さらに一歩踏み込んで、子育て・高齢者を支援するソフトウエアについても互いに知恵を出そう、ということです」(工藤氏)

子育て世代が集まり、まちに活発な交流が生まれる。既存の団地が高齢者に安心を提供する場になる。いずれも、人と人とのつながりを新たに創出する工夫がなければ達成できない。「区とURが組むことで、一足す一を、三にしたい」と担当者たちは意気込む。

△写真は足立区に建つ「ハートアイランドSHINDEN」、荒川のスーパー堤防と一体化した都市整備で広大な工場跡地に約3千戸の住宅が誕生
△二枚目の写真は高齢者支援のモデル事業となる足立区大谷田一丁目団地

▲日経BP社 ケンプラッツ 2010年9月27日(月)

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