2017-10

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流れが劇的に変化 10万人署名!

■景観か開発か大詰め 「鞆の浦」訴訟

 県と福山市が進める鞆(とも)の浦の埋め立て・架橋計画をめぐり、反対する地元住民らが県を相手取り知事に埋め立て免許を交付しないよう求めた訴訟が12日、広島地裁で結審した。提訴から約2年。免許交付に同意が必要な排水権者の範囲や計画で失われる景観の価値や損害の程度を争点に議論が交わされてきた。免許の認可を判断する国土交通相が計画見直しに言及するなど新たな局面を迎える中、今春にも示される判決が注目される。

 最後となった原告の意見陳述で、「鞆の世界遺産実現と活力あるまちづくりをめざす住民の会」の松居秀子代表が計画反対の声を上げ、古民家の再生・活用などでまちづくりに取り組んできた18年間を振り返り、「景観は単なる観光資源ではなく、重要な生活環境の一部。埋め立て架橋が実現すれば、海から受けていた潮風は排ガスの風に、浜に打ち寄せる波の音は車の騒音へと変わり、静かで安全な生活は一変してしまう」と指摘。金子一義・国交相の一連の発言に触れて「鞆の浦の価値を評価して地域だけの問題ではなく、全国の問題ととらえ、『国民の同意をとる必要がある』という見解を示した。県、市もこの発言を真摯(しん・し)に受け止め、速やかに埋め立て申請を取り下げ、住民との協働によるまちづくりに取り組んでほしいと切に願っている」と訴えた。

 これに対し、被告の県側代理人の弁護士が「詳細な準備書面を提出しているので、これ以上はありません」と述べ、結審した。

 閉廷後、原告と弁護団が広島弁護士会館で記者会見した。水野武夫・弁護団長は「埋め立て架橋により失う利益よりも得られる利益が大きいことを客観的に示せないまま、この問題は行政レベルでは閉塞(へいそく)状態にある。これを打破し、計画をやめるべきだと言うのは司法の役割」と求めた。大井幹雄・原告団長は「行政が今までの手法を変えなかったので、それに対する抵抗だった。完全に潮目が変わってきた。鞆の浦は長い歴史の中で奇跡の連続を味わってきている。判決は出ていないが、その一つが現れるような気がしてならない」と期待した。

 この訴訟は、県と市の埋め立て免許出願に先手を打って07年4月、反対住民ら163人(提訴当時、その後死亡や転居で5人取り下げ)が広島地裁に提訴。翌5月の免許申請は排水権者全員の同意を得られないままでの異例の形になった。過去に完全な同意を得ずに埋め立て免許が交付された例はなく、埋め立て免許交付が公有水面埋立法に照らして違法な処分に当たるかどうかが焦点となってきた。

 原告側は、多くの排水権者の同意が得られていないにもかかわらず免許を交付することは裁量権の逸脱、乱用であり、埋め立てで歴史的景観が破壊され、良好な景観の中での生活を享受してきた原告らの景観利益が侵害されるなど埋め立てで得る利益が失う利益を著しく超過するとは到底言えず、違法な免許を交付してはならないと主張する。

 被告側は、排水権や景観利益を主張する原告らの適格は認められず、差し止め訴訟の要件である重大な損害を生じる恐れはないことから訴えは却下されるべきであるとし、埋め立て免許の交付が相当であると判断したことは何らの違法もなく、原告らの主張はいずれも理由がないとする。

 原告側は07年9月、一審判決が出るまでの間は免許が交付されないよう求める仮差し止めも申し立てた。広島地裁は08年2月、申し立てを却下したものの、排水権者を広範囲に含めたほか、埋め立て免許については景観利益も考慮すべきであり、埋め立て工事により侵害されるとして原告団163人のうち160人に原告適格を認めた。計画についても「埋め立てが着工されれば、直ちに鞆の浦と周辺の景観が害され、しかも、いったん害された景観を原状に回復することは著しく困難である」と踏み込んだ。

◆争点(1)排水権
 <原告側の主張>
 排水口を設けて日常的に海に直接排水している原告だけでなく、間接的に排水口を使って生活している原告も含めて98人に公有水面埋立法5条に定める排水権があり、全員が埋め立てに同意していない。県、市は排水権者の同意が得られないことを理由に事業を凍結したことがある。
 <被告側の主張>
 原告らは排水権者に該当しない。埋め立て地に設ける排水設備に接続することにより海に排水できるので、原告らの主張を前提としても排水権を侵害することはなく、原告適格もない。道路の側溝や他人の水路を使う間接的な排水は第三者の確認が困難で、排水権者が無限に広がる。

◆争点(2)景観利益
 <原告側の主張>
 鞆の浦では港や町並みが一体となって歴史的、文化的、自然的価値に基づく生活が営まれている。これらを保全、維持し、良好な景観を享受してきた原告らには法律上保護された景観利益がある。架橋計画は景観を破壊しない山側トンネル案で代替でき、下水道の整備などは今も可能だ。
 <被告側の主張>
 鞆の浦に歴史的、文化的価値などがあるとしても、原告らの主張する景観利益は広く国民一般が享受する公益にとどまり、原告一人ひとりの個別的利益として法的保護に値せず、原告らに法律上の利益はない。生活の向上、発展の観点から必要な変化を加えることは認められるべきだ。

◆争点(3)重大な損害のおそれ
 <原告側の主張>
 埋め立て免許が交付されれば、間もない時期に工事が着工され、いったん破壊された景観を元に戻すことは著しく困難で、排水権や景観利益の回復も難しい。免許が交付されてから取り消し訴訟を提訴し、執行停止を申し立てても決定を受けるまでに重大な損害が生じるおそれがある。
 <被告側の主張>
 原告らの主張する重大な損害は埋め立て免許が交付される処分そのものではなく、免許に基づいて埋め立て工事が行われることによって生じる。執行停止を申し立てたり、取り消し訴訟を起こしたりすることで避けられるため、差し止めの訴えは不適法である。

▲朝日新聞 2009年2月13日(金)

◇まちづくり工房代表の松居原告側代表は、昨年10月23日に10万人署名を国交省に持参・提示してから流れが劇的に変化したと言う。
金子国交相が会見で、「住民同意ではなく、国民同意(が必要)」と述べたことに対し、福山市長は事業をあくまで「地元の問題」としたうえで、「国民同意の定義付けがわからない」「(認可への)突破口は何なのか示してもらう必要がある」などと不快感をあらわにした発言をしている。

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