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2020-05

鞆の浦支援 「賛成×反対ではなく」

tomonoura

■鞆の浦支援 「賛成×反対ではなく」
大林監督 未来の子供たちのため学びの場に

 広島県と福山市が計画を進めている埋め立て架橋建設に反対し、山側トンネルなど他の方策を提案する「鞆の世界遺産実現と活力あるまちづくりをめざす住民の会」を支援する全国組織が16日設立され、東京・霞ヶ関の東京弁護士会館で記者会見が開かれた。支援する会の呼びかけ人、日本建築学会名誉会員の池田武邦・(株)日本設計名誉会長、映画作家の大林宣彦監督らが「21世紀の日本の町のモデルになり得る、世界に誇れる鞆の浦を誤った手段で壊さないでほしい」と訴えた。
 8人の呼びかけ人のうち、池田氏、大林監督と並んで伊東孝・日本大学教授と前野まさる・東京芸術大学名誉教授が出席、地元鞆の浦からは住民の会の中心メンバー、「鞆を愛する会」の大井幹雄代表幹事と「鞆まちづくり工房」の松居秀子代表が駆け付けた。ことあるたぴに鞆の浦と古里尾道について語っている毛利和雄・NHK解説委員(長江出身)も取材陣として参加した。
 長く鞆を研究調査している伊東、前野両教授は鞆の歴史とこれまでの住民活動を振り返りながら、「町並みだけでなく、江戸時代の歴史的港湾施設が残るのは日本で唯一で、世界に誇れる港町である。地元だけに任せるのではなく、日本全体、世界の問題である」と専門家の立場から事の重大さを強調した。
 大林監督は「今日はむしろ静かに穏やかに、そして楽しく話し、考えていきたい」と語り始め、「映画を3本撮らせてもらった鞆は自慢の海の里。子供たちに可哀想なことをしたという思いが強い時代だけに、せめて鞆の海は子供たちのために残しておいてやることが現代の大人、親の務めであり義務である」と心境を述べた。
 「このたび古都保存法の40周年を記念して、私の古里尾道と友人の町鞆の浦が並んで『美しい日本の歴史的風土100選』に選ぱれたことはとても嬉しかった」と古都保存法施行のきっかけとなった1960年代の鎌倉で繰り広げられた宅地開発反対運動の人間的な解決方法を紹介。「その市民運動がもとで初めて法という形で成立したのが古都保存法であり、その『精神』が選んだ鞆ですから、その海に手を付けてはいけない」と語気を強め次のように続けた。
 「現在の私の生活から車を取り上げられると正直困る。車社会である以上、道は広い方がよいという考えが悪いとは言えない。しかし行き過ぎた文明は人間を滅ぼすという警句がある。どうやら行き過ぎた文明のために自分たちの身を滅ぼしつつある、他の生き物の生命も疎かにしていると気付き始めたこの時期、優れた文明という道具をいかに上手に使うかという文化に学ぱなくてはならない。そういう意味で鞆の架橋の賛成、反対は、どちらも町が幸せになりたいと願う心から出たことだが、文明の側から考えられる利便性や豊かさと、文化の側から守らぬぱならないものとが、車の両輪のように考えられなければならない。
 20世紀に発達するだけ発達してどうかすると戦争を始め、物を壊すことにも役立って来た文明を21世紀は上手に使って暮らしに活かさなくてはならない。スクラップ&ビルドではなくメンテナンスの時代がきており、車社会の利便性や速さ、経済の活性化をもう一度考えてみることが大切である。そしてその考えを豊かにしてくれるのが鞆の港である。
 温故知新を学ぶためにも、せっかくここまで残って来た鞆の浦を守らなくてはならない。以前、100年前に描かれた鞆の風景画を見て感動したことがあるが、100年後の子供達にとって今の鞆の港は私が感動したのと同じように素晴らしい港だ、よくご先祖様は残してくれたねと感謝してもらえる港町になると思う。
 私は反対とも賛成とも言いません。むしろ皆さんにこれを機会に日本の大切なことを考えるチャンスにしましょうと言いたい。今を生きる私たちにとってよりも、未来の子供たちにとってもっと大切なものがあるのではないか。スローライフ、オンリーワンの時代である。せっかくここまで残った鞆の港。景観だけの問題ではなく、人の言葉、願い、祈り、怯えをこそ、ここでゆっくり考えることが、美しい日本の再生の最後のチャンスである。
 ノスタルジーの、過去の景観を守るということを超えて、明日のためにお互いが楽しく、一所懸命語り合うことが大事。鞆の皆さんにはご不自由もご不便もお掛けするが、お願いだから大切な文化遺産を未来の子供たちのために守る努力をしてみようではありませんか。ヨーロッパでは車が通れない古い町は、車を入れずに皆さん歩いている。不便だが心の中にはこの町を守り、未来に伝えているんだという誇りや喜びがある。謙虚に考え直せる学びの場、未来の資源を早急に壊してしまうのは本当にもったいない。」

・超高層ビル生みの親語る
 20世紀の高度経済成長期、霞ヶ関ビルをはじめ超高層建築を手掛けてきた池田武邦氏(長崎県)は、「建築の近代化は人の心と自然を壊し、都市が病んでしまう結果になり、間違いであった」と自省を込めて語り、「鞆の浦は21世紀の最先端をいく町の素材をまだ備えている。手段を誤らないでほしい」と訴えた。

▲山陽日日新聞 2007年3月18日(日)

写真はまちに貼られてるポスター クリックすると拡大版でご覧になれます。

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