2017-06

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カーボン・オフセットの試み

■港区の整備林 街のCO2山が肩代わり

東京都あきる野市の刈寄(かりよせ)地区。渓流に沿って続くスギやヒノキのうっそうとした市有林で、パワーショベルが作業用の道を造るため急斜面を切り開いていた。この道路工事を含めた森林約20ヘクタールの整備費用約3億円を、東に約60キロ離れた都心部の港区が負担している。なぜ、都心の自治体が山間部の自治体の事業に拠出するのか_。

その目的は、地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)の排出削減だ。港区はあきる野市の市有林整備にお金を出すことで、小中学校を含めた区内の公共施設が排出したのと同量のCO2を削減した、と見なされる。この仕組みは「カーボン・オフセット」(炭素相殺)と呼ばれ、港区はこれを利用して年間182トンのCO2削減を目指す。
きっかけは昨年9月、港区の親子が同市の「横沢入」と呼ばれる森を見学し、同市の親子が港区のお台場干潟を訪ね、相互に環境学習をしたことだった。横沢入は、かつてJR東日本が新駅構想の中で住宅用地として購入。市民グループによる保護運動が起こり、都に無償譲渡された経緯がある。その後、都内で初めて「里山保全地域」に指定された。
港区の今福芳明環境課長は「多摩地区の山林の多くは十分な手入れがされていないため、荒れている。一方、都会はCO2をたくさん出している。都心と森の行政同士、お互い何かできないか考えた」と、カーボン・オフセットを試みた背景を説明する。

あきる野市の面積の約60%が森林。「緑の近くで暮らしたい」という希望も多く、多くの開発業者は宅地開発に熱い視線を注ぐ。一方で、森を守り育てる林業が衰退している現実がある。「安い材木が輸入され、切っても原木市場まで運ぶ搬出費用にしかならない。売れる太い木も山奥に行かないとない」と、都森林組合あきる野支所の田中満さんは嘆く。
港区が費用を出す森林整備ではキャンプ場などの施設はつくらず、カエデやブナなどの広葉樹を植林。せせらぎに生息するホタルも増やし都会の人たちに自然そのものを楽しんでもらう予定だ。
地球温暖化対策の京都議定書で、日本は2008年から12年までの期間中に、CO2を1990年比で6%減らす「国際公約」を負っている。政府は、削減目標のうち3・8%を森林整備などで対応したいとしている。カーボン・オフセットは、目標達成の切り札の一つともいえる。
「現状では森林整備で達成できる見通しは3%弱。厳しい情勢だ」と、環境省の小島敏郎地球環境審議官は言う。その上で、小島審議官はあきる野市と港区の取り組みをこう評価した。
「都心の行政と森を持つ行政の連携に意味がある。温暖化対策だけではない。都会に近い多様な生態系を持つ森を守り育てるという、未来への投資だ」

◇カーボン・オフセット 自ら排出した二酸化炭素(CO2)の量を企業や自治体などが計算し、CO2を吸収する森林を育てることで排出分の埋め合わせをする仕組み。地球温暖化対策のための京都議定書は、荒れた森林の下草刈りや植林をすることで吸収されるCO2の量を、議定書が定める削減目標に算入できると定めている。

▲東京新聞 2007年10月4日(木)

«  | HOME |  »

MONTHLY

CATEGORIES

RECENT ENTRIES

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

APPENDIX

湘南なぎさプロムナードの環境を守る会

湘南なぎさプロムナードの環境を守る会

no16F no10F

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。