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2020-04

里山の景観を考える

景観への関心を高めるサポーター制の導入

あぜ道に揺れるヒガンバナ、石垣に囲まれた棚田、山々を背にした瓦屋根の民家。こうした日本の原風景を大事にしたいと思う人は少なくないだろう。
三次市で市街地の町並みとともに、山や川、田畑が織りなす風景を守ろうという「景観条例」が今月一日施行された。国の景観法に基づく。中国地方の市町村では倉吉と並び5カ所目。これまで、松江や尾道など、都市部や歴史的な町並みの保全が中心だった。里山にも広げた取り組みに、成果を期待したい。
景観法に基づく条例の目的は、市の規制に法的な裏付けを持たせることだ。例えば、一定規模の建物の新築や改築の際、届け出が義務づけられ、市は自然になじむよう色やデザインなどの制限ができる。さらに、採石で山の斜面を削った場合、植栽するなど、原状回復を促すこともある。
景観の方向性を示すのが「景観計画」だ。全体を8地域に分け、市の8割を占める山地についても、それぞれの特性を反映した整備を考えている。君田地域は伝統的な瓦屋根や石垣を生かし、作木地域は棚田が織りなす田園の保全といった具合だ。細やかな気配りは評価できる。
今後、より積極的に美しい景観を生み出すために、個々の建築物を一層厳しく規制できる「景観地区」などの指定も急ぐという。
2年前に施行された景観法が条例制定のきっかけになった。江戸の町並みを継ぐ商店街もあり、地域住民主導の協定ができるなど、意識の高まりも後押しした。
計画の策定には、市民の思いを反映させるために、アンケートを行った。ワークショップや説明会なども各地で開き、住民の関心を高めながら、地域ごとのニーズや方向性を導き出した。
今後、景観地区が指定されると、自由に家を建てたいといった「個人の権利」とぶつかる可能性もある。行政の思いが独り歩きしないよう、住民とひざをつき合わせて話し合う姿勢が必要だ。
景観への関心を高めるため、市が考えているのは、サポーター制の導入だ。来年度にも募集し研修を行う。住民の目で地域ごとの課題を見つけ、市に提案していくこともできるだろう。
条例を施行しても、すぐに目に見える変化はないかもしれない。だが10年、20年という単位で見れば違いは出てくるはずだ。住民が誇りを持てる古里にしたい。

▲中国新聞 2007年10月1日(月)

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