2017-10

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美しい都市景観の新たな取組に向けて

■美しい都市景観の新たな取組に向けて 
都心界隈の新しい景観を考えるシンポジウム 京都府立大学 宗田好史

◇これに関係する人々
 ・これからマンションを建てられる土地を所有している人(所有しつづけたい人、売りたい人)
 ・これからも住み続けたい、事業を続けたいと望んでいる人々
 ・京都で様々な事業を営む皆さん(京都らしさを求める事業者、京都に関係のない事業者)
 ・都市を売買することで開発による利潤を売る人々(悪質不動産業者、一部建設業者)

京都新景観政策の一つ目は「高度地区による高さ規制の見直し」です。色々な質問が出るなかで、まず“すでに高度規制を超える高さのマンションに住んでいる人々”というのがおられます。「私の住まいはどうなるのだと。」すでにそこに建っているマンションですので、そこに住み続けることはできます。それをまず確認しましょう。ただ住民の中には、近々売らなければならないという立場の方がいます。この方はずっと住み続ける方々とは少し状況が違います。

この界隈の方々はよくご存知のはずですが、高さ規制が行われるということを業者はよく知っています。この田の字地区(歴史的都心部)のマンションの価格が最近非常に上がっています。それは皮肉な状況です。今12階のマンションに住んでいる。眺めが良い。しかし隣にも12階が建つかもしれない。隣にマンションが建ったとたんに隣の壁しか見えなくなるわけですから、自分のマンションの価値は著しく落ちます。これは実際に裁判になった例もあります。しかし、今回の規制によって隣に高いマンションは建たなくなります。

従ってそのマンションが老朽化した後どうなるかはともかく、建っている限りは非常に眺望の良いマンションです。ですから売りたいといえば、買いたい人には歓迎されます。

住み続けるという方は、既に築20 年を超えているマンションも一部にはありますから、そういう場合はちょっと心配になります、そこで非常に微妙な反応をされます。

ただ「こんなことさえなければ静かに暮らしていたのに」という無関心な方もいますが、一方で今回の規制によってマンションの価格が上がり、一種の規制太りをする方もいます。そういうことに関して、我々はどうすればよいのか。確かに12階建てのマンションを高いお金を出して買ったのだと思うけれども、その方が悪いとは言いませんが、京都の眺望景観を独占していることの是非(もちろんその原因は京都の高さ規制が緩かったということに因るわけですが)、決して全ての土地に高いマンションが建っているわけではないのに、緩い規制のなかで高いマンションが建ってしまったことによって発生した不公平をどうするのかということを(非常に難しい問題ですが)、考えないといけないわけです。

それから“これからマンションを建てられる土地を所有している人々(所有し続けたい人、売りたい人)”がおられます。所有し続けたい人は、別にこれによって地価は下りません。一部実証に基づかずに、高さが下れば地価が下るとおっしゃる方がおられます。高度経済成長の頃はそうだったかもしれません。今でも東京の都心だけでは、十分な経済力があり、そこで高さ規制を緩和することによって、開発が起こりました。しかし、開発のためというより、開発が起こる前から投機が起こり、地価が上ったのであって、その結果、規制緩和、地価高騰、バブル崩壊と続きました。そのために、膨大な国民の税金を使って銀行や不動産会社や住専の損金の穴埋めをしました。従来の土地神話にまだ懲りない人がいます。高度地区の規制が緩まれば、また地価が上って景気が良くなるなどと、もう考えてはいけないのです。

現実には、町並み審議会以来、マンションへの高さ規制が始まって、この界隈では地価は上がっています。マンションだけではなくて、商業地の地価は上がって、ミニバブルだとも言われ、心配する人もいます。つまり、京都市が景観を守ろうという取組をすると、この街の格が上って、この街が賑わうために、もっと土地が欲しいと思う事業者が集まっているからで、実は所有し続けたい人たちにとっても、売りたい人にとっても、損ではないのです。ただ、今すぐ急いで売り逃げたい人は、このことで市場の様子見が心配だと思っている。

さらに“これからも住み続けたい、事業を続けたいと望んでいる人”はたくさんいます。中京は確かに新しい住民の方が来られるので人口が増えていますが、古い住民の方もしっかりと住んでおられる。町家に住んでおられる方、町家ではなくても規制の範囲に収まるようなビルをお持ちの方、あるいはマンションに住んでおられる方というのは、このまま住み続けるためには、どんどん野放図にマンションが建って町並みが壊れるより、住環境が守られるわけです。

そもそも今日ここにおられる姉小路界隈の皆さんはじめ、建築協定を結んだ地区の方々は、皆さんここに住み続けたい、ここで仕事がしたいがために、まちづくりに取組まれた結果、苦労して建築協定まで到達され、それをさらに更新するという取り組みをしていらっしゃる。この方々にとっては、今回の高度地区による高さ規制の見直しは大歓迎であるはずなのです。この方たちが声を大きくしないと、7割8割の市民が支持しているということが伝わらずに、土地を売買することで開発による利潤を得る人々(悪質不動産業者、一部建設業者)の意見ばかりが声高に通ってしまうわけです。

この悪質不動産業者というのは例えば、リクルートコスモスのことです。この前ここにお邪魔した時は、皆さんも私もあのマンション建設に反対していました。一棟だけ高い建物を建てて、通りの調和、美観を乱し、隣近所に迷惑をかけた建物です。皆さんも、また京都商工会議所の皆さんも、京都の街中での建て方の作法を丁寧にご説明しましたが、リクルートコスモスは「これは自分の権利だ」といって、強引にあんなマンションを建てました。何が良いことがありましたか。リクルートコスモスは京都に何の貢献もせず、自分だけ儲けて、外部不経済を垂れ流し、周りの皆さんに迷惑をかけ続け、街を壊して去っていきました。不幸なことに、たまたま土地がリクルートコスモスのような会社に渡ったために、皆が「よせ」とあれだけ言うのに、自社の利益だけを考えて、御池通の景観を壊しました。とんでもない会社だと思います。私は一人のまちづくりの研究者として、とんでもない会社だと思いますが、あの会社からマンションを絶対に買うまいと思うのは、私だけではないと思います。ああいう業者を許していいのですか?新しい規制を実現しないと、似たような業者、もっと小さいのもたくさん来ます。彼らは京都のことなんか何も考えない。商工会議所の方々のお話を聞くと、あの会社は京都のことを全く考えてない。これでは京都でご商売をされる方はたまらないのです。もちろん、そのマンションの近くにお住まいの方はもっとたまらないのですが。せっかく京都市が従来のまちづくりの方向を変えて、東京型ではない、京都に相応しい景観政策を、この街の生き残りをかけて真剣にやろうという時に、あんなことをする不動産業者の主張を聞くことはできない。そのリクルートコスモスの手先になって、設計した業者も京都にいます。あの仕事を請け負った業者がいるのです。この人たちの言い分を通したら、京都の街と、その文化が壊れます。

今ここで、体をはって止めないと、またリクルートコスモスのようなマンション問題が起こるのです。そのことを皆さんはよく知っているはずです。今回の規制に反対しているのは、“土地を売買することで、開発による不当な利益を得る人々”だけです。一般の市民の方々には、きちんと説明し、丁寧に議論していけば十分わかっていただけるものだと思います。

(講演会記録より抜粋しました。全文は以下のサイトでご覧になれます)
http://www.gakugei-pub.jp/kanren/muneta/index.html

▲ 学芸出版社 2007年3月14日(水)

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