2017-08

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景観が変わる -中- 日経新聞




景観が変わる**中 2005年5月4日(水)日本経済新聞「経済教室」より
by 信士五十八(東京農業大学学長 NPO法人美し国づくり協会理事長)

日本は全国各地に醜悪な景観をつくりながら経済を発展させてきたが、ようやく転機を迎えたようだ。景観を向上させることは地域の独自性を追求することであり、観光立国にもつながり、経済的な効果も期待できる。そして、最も簡単で効果的な景観向上策は「緑化」である。

■ 街並みなどに連続感乏しく
一目見ればすべてがわかるという、いわば「感性」の判断によって、ありのままの全体を把握する「景観」的な見方こそ本当は重要なのではないだろうか。景観法が登場した背景には、そうした新世紀の価値観が感じられる。
日本政府は、脇目もふらず道路整備に邁進したため、自然の山野や既存のコミュニティを分断し、限られた予算で距離を稼ぐため、歩道幅は狭く街路樹さえない道路も造った。歩道橋を架けた結果、高齢者にはきつく、醜悪な景観になってしまった。
一方、近年建築されるオフィスや住宅は一棟だけ見れば、設備は高機能、デザインも随分良くなった。しかし、連続感はなく、向こう三軒両隣との街並みは乱れ、山並みや水辺とはほとんど断絶してしまった。連続感があってはじめて「らしさのある町」になる。これをトータルランドスケープという。
■ 「美しい日本」 国民的課題に
その土地の景観は、地質・地形・水系・植生・産業・歴史が重なり合って形成されている。近くの家から遠くの山まで、景観はいつでもワンセットである。都心から郊外、農村から山村、そして国立公園まで、都市景観・農村景観・歴史的景観・自然景観それぞれが個性的でありつつ、全体として日本らしい国土景観を形成している。縦割りの都市計画行政だけでは絶対に美しい景観はつくれない。官民協働し、建設関係者の専門技師と市民の景観意識や美意識を横断的につなぐ「都市美運動」の盛り上がりが必要である。
兵庫県豊岡市は「環境経済戦略」を策定し、有機農業やグリーンツーリズム、エコエネルギーなどを柱として、環境と経済が共鳴するまちづくりを目指し始めた。グローバルに見れば、環境に優しいものは経済的でもある。
良い景観地には人が集まる。過疎農村でも都市と農村の交流のために景観保全に力を入れている。農山村における景観事業は経済支援施策ともいえる。
■ 農村景観のテコ入れを
景観法を高く評価したいのは、国交省の景観計画区域、景観地区、景観重要建造物、景観重要公共施設、景観重要樹木のみならず、環境省の自然公園、そして農林水産省の景観農業振興地域と、三省共官で国土全体をカバーしている点である。
筆者の実感では、今最も変化し荒廃しているのは農村景観である。政府の本格的テコ入れで、日本のふるさと再生と観光立国の一石二鳥を狙うべきであろう。

筆者らの研究室が建築紛争事例を分析したところ、新設建物が周囲の既存建物群の平均高の1.5倍以上になると紛争が急増することがわかった。
ここで最も簡単な景観対策を提案したい。それは緑化である。問題のある景観を隠すには、その前面に植樹や緑地を配することが最も簡単かつ効果的である。
国立市のマンション訴訟は、市民の景観意識に火を付けた一方で「景観がそれほど大事なのか」という経済人も少なくない。しかし、緑と眺望がセールスポイントになることを知るべきである。

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