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2020-04

市民 対 事業者と鎌倉市の構図

■鎌倉市長が謝罪!「大船観音前マンション開発許可」で

「大船観音前(神奈川県鎌倉市岡本2丁目)のマンション」に対し鎌倉市がおろした開発許可を、神奈川県開発審査会が07年1月4日付けで「鎌倉市の開発許可は違法」として取り消した件で、石渡徳一鎌倉市長が16日、市議会の全員協議会で謝罪した。

しかし、05年12月9日にも、県開発審査会は同じ件で開発許可を取り消している。当時、建築確認をした日本ERIは、「建築主から工事取りやめの届け出があれば受理する」としていた(朝日新聞05年12月14日湘南版)。

05年の取り消しの際、市長は12月15日に高橋保信都市整備部長と小林光明都市計画部長を口頭厳重注意(非公表)していた(同06年1月25日湘南版)。それにもかかわらずその後、市は再度開発許可をだすという暴挙を行った。

そしてさらなる今回の、県による開発許可取り消し処分である。

「開発事業計画のお知らせ」の内容は:

 事業区域面積:2512.29m2
 建築面積  :1158.13m2
 延床面積  :6048.01m2
 階数・高さ :地上9階 地下3階 27.61m
 事業者   :小松原建設
 工事施工者 :鴻池組東京本社
 連絡先   :東洋エンジニヤリング横浜支店

最重要ポイント:

この問題は、よくある法の網の目をかいくぐってのマンション建設に対して近隣住民が反対するという構図とは、全く異なっている。マンション建設にまつわる争いは、ほとんどが「民(住民)VS 民(事業者)」であるが、これは「民(市民)VS 民(事業者)+官(鎌倉市)」という異常なものといわざるをえない。 

このケースは、特別な法的手段を駆使して建設を阻止しなくても、もともと建設できるはずのない計画(敷地が道路に接していない)であった。
まして、市が守るべき緑地保全地区にも指定されている場所だ。
それにもかかわらず、鎌倉市がマンション業者に、敷地と道路の間にある市有地をわざわざ「提供」し、開発させようと目論んだという前代未聞の事件だ。

法の網をすり抜けようとするような海千山千のデベロッパーといえども、こんな手法は思いつくまい。行政が手を貸さない限り、あり得ないことだからだ。
実際、複数のデベロッパーが過去に検討し、開発を断念したという。

行政が、議会(市民)を無視して市民の財産を勝手に(粗末に)扱ったのだ。裏に何かがあると勘ぐられても仕方あるまい。

いま、関心を持つ市民の多くは、市の都市計画担当者と石渡市長に対して、さらにはそのような行為を容認する市議会の一部議員にも強い疑いの目を向けている。 

鎌倉市議会での決議の経過:
 
この件をめぐって市議会では、2005年12月から2006年9月まで、5本の決議を採決している。
議長決裁に持ち込まれて不採択となった3本目を除いては、全て採択されている。しかし、議員達の対応は様々だ。
 
1)2005.12.22 原状回復決議 賛成19、反対7 採択
「市有地岡本2丁目260-2番地及び市道053-101号線の原状回復と適切な管理を求めることに関する決議」

2)2005.12.22 市長問責決議 賛成14、反対13 採択
「石渡市長に対する問責決議」

3)2006.3.23 編入不同意決議 賛成13、反対13、退席1、議長決裁 不採択
「岡本マンション開発にかかわる260-2の土地及び市道053-101号線について、編入同意をしないことを求めることに関する決議」

4)2006.3.23 市長問責決議 賛成14、反対13 採択
「石渡徳一市長に対する問責決議」

5)2006.9.28 編入不同意決議 賛成17、反対10 採択
「岡本2丁目マンション開発ににかかわり行われた市有地260-2及び市道053-101号線の一部を編入同意した行為は認められないことを確認することに関する決議」


決議にあたっての、議員の賛否動向:

この決議では、
1)~5)の決議全てに賛成している議員は、業者側に立つ行政を批判する立場(マンション建設に反対)であり、
1)~5)の決議全てに反対している議員は、業者側に立つ行政を容認する立場(マンション建設に賛成)だと、筆者は見ている。
下記に、全28議員の賛否をまとめた(敬称略)。
※ネット:神奈川ネットワーク運動 共産:日本共産党 公明:公明党 民主:民主党 自民倶:自由民主倶楽部 同志:鎌倉同志会。

●1)~5)全てに賛成した議員(13名)
・ネット:石川寿美、萩原栄枝、三輪裕美子、森川千鶴
・共産:赤松正博、小田嶋敏浩、高野洋一、吉岡和枝
・無所属:松尾崇、松中健治 
・自民倶:高橋浩司、本田達也
・民主:岡田和則
●3)を退席、1)2)4)5)に賛成した議員(1名)
・ 無所属:千一

ここまでは「業者側に立つ行政を批判する立場」で、以下は「業者側に立つ行政を容認する立場」、あるいは「それに近い立場」と言えるのではないか。

●1)~5)全てに反対した議員(6名)
・公明:藤田紀子、大石和久、納所輝次
・民主:中村聡一郎 
・無所属:助川邦男 
・同志:前川綾子。
●1)5)に賛成、2)3)4)に反対した議員(3名)
・民主:渡邉隆、早稲田夕季、久坂くにえ
●1)に賛成、2)3)4)5)に反対した議員(2名)
・民主:山田直人
・無所属:原桂
●1)を退席、2)3)4)5)に反対した議員(1名)
・同志:野村修平(1は議会監査委員のため退席)
●5)に採決不参加、1)2)3)4)に反対した議員(1名)
・同志:伊東正博(5は議長のため判断せず)
●1)2)4)に採決不参加、3)5)に反対した議員(1名)
・同志:白倉重治(1、2、4は議長のため判断せず、3は可否同数で議長判断)

筆者は、これを次の選挙で判断材料のひとつにしようと考えている。 

■議員のデジタルディバイド■
市議会のホームページからたどって議員のページを探すと、28人中5人が未だにホームページを持っていない。また、持ってはいてもポスター程度の内容か、あまり更新されていないものもある。
共産、公明両党は党としてのHPで全議員をまとめているが、それでは各議員の人となりは伝わってこない。だいたい、読込もうという意欲がわかない。
先日、出身官庁を調べるために衆参両院の自民党議員のHPを調べたら、持っていなかったのは数人だった。それと比べたら、鎌倉は遅れているようだ。ほかの市はどうなのだろうか。
そんな中で、上記の松中健治議員(無所属)、岡田和則議員(民主党)、松尾崇議員(無所属)、高橋浩司議員(自由民主倶楽部)のページは充実している。
どうやら、ディバイドと議員の年齢とは関係がないようだ。政治への意欲とは相関関係がありそうだが。
いまどき、ホームページからの発信がない、或いはおざなりなホームページでお茶を濁すようでは、「市民へアピールしようという意志がない」ととられても仕方あるまい。(江口征男)

▲JANJAN 2007年1月19日(金)

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