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2020-01

「旧スタンダード石油社宅」が取り壊される可能性

■横浜 本牧の代表的な米国式住宅に解体計画浮上

終戦後、米軍に接収された横浜本牧を象徴する1950年代のアメリカンスタイルの邸宅として、ほぼ完全な形で残されている「旧スタンダード石油社宅」が取り壊される可能性が出てきた。現在の所有者で不動産販売・仲介のリクルートコスモスが分譲住宅を建設するためだ。
8日開始予定だった解体計画は、横浜市教育委員会が同社に協議を申し入れたことなどにより、いったん「未定」となったものの、保存を望む人たちから「協議の行方が心配」との声が高まっている。
横浜市中区本牧元町の風致地区にある「旧スタンダード石油社宅」は、横浜山手の「エリスマン邸」など、日本のモダン建築の先駆的役割を担った建築家アントニン・レーモンド(故人)が設計した。
周囲の景観に気を配り、地形や自生する木々も設計段階でデザインに組み入れた。そのため、コンクリート造りの邸宅は海側のほぼ全面にわたり大型窓がはめられており、広い室内から港が一望できる。専門家からはモダニズム感が優れた建築物として高い評価を得ている。
この土地建物の所有者となったリクルートコスモスによる分譲住宅の建設計画が4月中旬に表面化。邸宅の解体工事を8日から始めると伝えていた。
近隣住民から保存を望む声が高まるなか、市教委は邸宅の文化的価値を重視。「邸宅は国の文化財登録制度に登録できる価値がある」との見解を示した上で、「邸宅を保存・活用しながら残す方向で宅地計画を変更できないか」と同社に文書で提案。市による立ち入り調査の可否を含め、両者による協議の場を設けるよう申し出た。
リクルートコスモスは「市教委からの文書を受け、8日からの解体工事は未定になった。今後は市教委との協議に応じていきたい」と話す。
こうした動きに、近隣住民や建築専門家らでつくる市民団体「旧本牧スタンダード石油社宅とその景観を救う会」の中嶋清美代表は「邸宅は戦後横浜の建築物を象徴するとともに、日本の現代建築に影響を与えた文化財。協議の行方を見守りたい」と話している。

アントニン・レーモンド(1888-1975):チェコ人建築家。戦前から戦後にかけて日本で数々の実績を残し多くの後進を育てたことから「日本近代建築の父」と呼ばれる。
建築物は近現代建築史の上で価値が高く、県内でも藤沢市内に1932年に建設された「グリーンハウス」(旧藤沢カントリー倶楽部クラブハウス)は、所有者の県と住民らが協力して保存と有効活用が図られている。

▲カナロコローカルニュースby 神奈川新聞 2006年5月6日(土)

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